ゼロから愚直に作ることがクリエイティブではない!制作企業とトップクリエイターが語るLINEスタンプ制作の秘訣と裏側

By | 2015年5月11日

LINEスタンプ制作アイキャッチ

2014年5月に販売開始されたLINEクリエイターズスタンプが、世の中を変えてきたと言っても過言ではありません。

月間のアクティブユーザーが2億5千万人となったLINEを支える、スタンプという非言語コミュニケーションツール。その制作により、個人のクリエイターたちが新たなるチャンスを掴む例も増えてきました。

これまで多くのクリエイターたちによって玉石混合のクリエイターズスタンプが生み出されてきた一方で、LINEスタンプ制作を企業に発注する動きがあります。そこで、今回はLINEスタンプ制作を請け負う株式会社アイディールと、同企業が抱える外部クリエイターを取材し、スタンプ制作についてお話を伺ってきました!

■目次
LINEスタンプと制作にまつわる裏話を大公開
1.アイディールの「価値を創る。」事業の特徴
2.LINEクリエイターズスタンプ制作について
3.作りたいのに作らないはもったいない

今回お話を伺った株式会社アイディールの小林氏とクリエイターの西川氏。

R_小林様プロフィール_CM小林 淳
1977年産まれ。駒澤大学を中退後、世界初のモバイルメールのメディア企業に就職。その後、某大手家電メーカー子会社にてソリューションやプロモーションなどの業務に従事し、あらゆる業種の販促活動に幅広く携わる。また、CRM系企業の役員に就任し、新規事業立ち上げなどの業務を経て、2007年春株式会社アイディールを設立。


LINEスタンプクリエイター西川 遼
JellyFish DesignOffice 代表。
高校生の頃からフリーランスとしてデザイン受注委託の仕事を請け負う。
卒業後、WEB制作会社を経て独立。2010年JellyFish DesignOfficeを設立。



 1.アイディールの「価値を創る。」事業の特徴

-これまで様々なクリエイティブを制作してきたそうですが、まずは御社について教えていただけますか?

小林氏:2007年に創業し、当時は中国の北京にて4名のクリエイターを雇用し、デコメ制作から開始しました。現在ではネット事業とクリエイティブ事業を行っていて、ネット事業では越境EC、クリエイティブ事業ではソーシャルゲームやLINEスタンプのクリエイティブ制作がメインです。

LINEスタンプ制作企業代表

-過去の実績などについても教えていただけますでしょうか?

小林氏:ガラケー時代のあるタイミングでは、キャリア公式サイトのデコメカテゴリの上位はほとんど当社が制作していたものだったと思います。実はクリエイターズスタンプが世に出る前の、LINE公式スタンプや、非公式スタンプと呼ばれるものの制作も行っていました。そこを含めると、LINEスタンプはこれまで2500~3000点程は制作しています。

ディレクションノウハウと300名の凄腕クリエイターが強み

-クリエイティブ制作会社としての強みを挙げるとすればどういったところでしょうか?

小林氏:現在、当社では300名の外部クリエイターを抱えています。当社では全体のプロデュース、企画、ディレクションを請け負うことでクライアント企業様の負担を減らすことができます。そもそも様々なクリエイターをネットワーク化して発注するという生産環境やスキームが発注企業様や他社様にはあまりないため、それを持っているという点が当社の強みだと思っています。

小林氏:確かに企業が個人の方に発注するという土壌はできてはいます。例えば、クラウドソーシングやpixivを使って個人のクリエイターに制作を行ってもらうことは可能です。しかし、当社が明らかに異なるのは、一定の水準以上のクリエイターとしか契約をしていないということです。そのため、成果物のクオリティが担保されることはもちろん、納期に関しても問題が起きたときに別のクリエイターによってリカバリーすることができるので予定通り納品することができます。

また、同席しているクリエイターの西川さんのように、クリエイターズマーケットで1位を取ったといった結果を残したクリエイターに対して、そのレベルをより引き上げていきたいという気持ちがあるので、彼女たちがより自由に働ける環境作りにも気を配っています。

-働きやすい環境とは、具体的にどういったものでしょうか?

小林氏:クリエイターは、ユーザやクライアント企業様が求めていることを可視化できる技術を持っていると思っています。彼らの持っている技術を後押しし、世の中に出すときに方向性のサジェスションはするものの、発想という我々が可視化できない部分を任せることで新しいコラボレーションが生まれるのではないかと思っています。

 

 2.LINEクリエイターズスタンプ制作について

-どのようなクライアント様が御社に発注されるのでしょうか?

小林氏:かなり多岐に渡っていて、既存のキャラクターを持っている企業様も持っていない企業様もいらっしゃいます。

-販売されたスタンプの収益をクリエイターが得られることがクリエイターズスタンプの特徴の一つでもありますが、御社にスタンプ制作を発注するクライアント様はどのような目的で発注されるのですか?

小林氏:確かに収益を期待される企業様も多くいらっしゃいますが、それだけではなくファンサービスやCSRのためにスタンプを制作したいという声もよく聞きます。

西川氏:私個人のところに発注される企業様は、ほとんど収益目的ではないですね。企業のブランディングであったりイメージアップのためにスタンプ制作を考えられる企業様が多いです。

スタンプ制作、王道の3パターン

-西川様にクリエイターとしての視点からスタンプ制作についてお聞きします。LINEスタンプ制作で困ることを教えていただけますでしょうか?

LINEスタンプクリエイター2

西川氏:すでに相当数世に出ていますので、やはりアイディアには困ります。制作中のランキング上位のトレンドを掴んで制作していても、審査期間が長いので、同じようなスタンプが大量にリリースされた場合、自分のスタンプがリリースされるときにはもう廃れているかもしれません。

なので、自分が実際に使ってみて足りないと感じたスタンプを作ったり、Twitterのフォロワーにどんなスタンプなら使いたいかをヒアリングして、その声を取り入れながら制作します。それらを最終的に1セット分の40点に絞り込むのが一番しんどいですね。

-多めに作って絞っていくとのことでしたが、まずは何点くらい制作されるのでしょうか?

西川氏:50~60点は少なくとも制作します。その後、使用頻度やインパクト、実際に並べてみての見栄えはどうか、スマホビューでのバランスも考えながら40点に落とし込みます。

-スタンプ企画やキャラクター案を考えるときにはどのように発想されるのでしょうか?

西川氏:王道のものが3パターンくらいあって、①可愛いキャラクターが可愛いことを言う(可愛い×可愛い)②可愛いキャラクターが酷いことを言う(可愛い×ひどい)③気持ち悪いキャラクターがひどいことを言う(キモイ×ひどい)の3つです。正直①の「可愛い×可愛い」は飽和状態だと思います。③の「キモイ×ひどい」は売れる確率は高いと思いますが、LINEの審査で弾かれてしまう可能性があります。そのため私は②の「可愛い×ひどい」でスタンプ制作するようにしています。

-私もクリエイターズマーケットを開始時からウォッチしてきましたが、全体的に「白くて丸い動物キャラクター」が人気という印象があります。その中で、西川様がクリエイターズマーケットで1位を取られた『毒舌アザラシ』は、なぜアザラシだったのでしょうか?

西川氏:制作の裏側をお話すると、アザラシは体のパーツが少ないので制作工数が少なくて済むんです。それに加えて、スタンプを40点制作する中で同じようなポーズはLINEの審査に引っかかるのですが、アザラシだと可動域が少ないため、同じようなポーズでも比較的審査に通りやすいと思います。

LINEスタンプ_毒舌アザラシ

LINEクリエイターズスタンプの制作過程

-アザラシにはそんな秘密があったのですね。驚きです。現在制作中のスタンプがあればお見せいただくことは可能でしょうか?

小林氏:現在制作中のものですと、キモい系のキャラクターを作ってもらっています。「男性がモテるためのスタンプ」というオーダーだったので、西川さんが描いてくれた4案の中から一番イケメンなスタンプを社内で検討し、右下のキャラクターを選びました。

LINEスタンプ制作

小林氏:大まかな方向性を当社とクライアント様で詰めて、そのイメージを基に西川さんにキャラクター案を作ってもらいました。そして顔のパーツなどを微妙に変えつつ精度を高めていくという流れです。セリフなどは当社で考えますが、キャラクターは西川さんに自由に作ってもらっています

LINEスタンプ制作過程

小林氏:LINEの審査前なのでリリース時には内容が異なるかもしれませんが、現在はこのようなスタンプを制作中です。

ゼロから生み出すことだけがクリエイティブではない

-クリエイティブのクオリティはどのように判断されているのでしょうか?

小林氏:クリエイティブは、見る人の嗜好性によってクオリティの高い低いが判断されてしまうケースもあります。そのため、クリエイティブを作るにはセンスとデータが必要なんじゃないかと思っています。

例えば、過去制作したものはどうだったのか、それはどんな状態にあったのか、あるいは過去制作したパーツなどをアーカイブに残しておいて、それらを組み合わせることで新しいクリエイティブを生み出すことができます。つまり、ゼロから愚直に作ることだけがクリエイティブの世界じゃないということを感じています。

LINEクリエイターズマーケットの理想の姿

-かなり大きな話になりますが、LINEやクリエイターズマーケットに今後期待することはありますか?

小林氏:クリエイターズマーケット用の広告メニューがあると良いと思います。せっかくスタンプの申請が通っても、一目に触れずに圏外に流されるのはもったいないので。その他で言うと、スタンプ申請が通ったものが、どのタイミングでクリエイターズマーケットに出るかが分かりやすくなると販促活動などがしやすくなると思います。

西川氏:要は「リリース」ボタンを押してもすぐに反映されない状態が改善されると嬉しいという事です。ちなみに、クリエイターズマーケットの様子を見ていると、他のクリエイターさんたちがこぞって「リリース」する月曜日はなかなか反映されませんが、逆に土日は1時間後くらいには反映されているみたいです。

 

 3.作りたいのに作らないはもったいない

LINEスタンプ制作について議論

-最後になりますが、LINEクリエイターズスタンプの制作を考えている企業へのメッセージをお願いします。

小林氏:このクリエイターズマーケットは、これまでになかった非常にエキサイティングなマーケットだと思っています。西川さんのように、個人のクリエイターが200セットものスタンプを申請しているみたいなレベルに達している方もいる。それが企業規模で、「LINEスタンプを作ってみたいがどうしよう」と躊躇しているのはもったいないと思います。当社では、サンプル制作など無償で行っていますので、企画やアイディアのお話など、お気軽にご相談ベースでお問い合わせ頂ければ、一つのきっかけになるかと思います。

-小林様、西川様、本日はありがとうございました!

 あとがき

いかがでしたでしょうか。

LINEスタンプ企業にインタビュー

インタビューからも分かるように、アイディール様は自社と契約している300名にも及ぶ外部のクリエイターを非常に大切に考えられています。

小林様はインタビューで「本当に支えられている。今日の僕らがあるのは外部クリエイターのおかげ」とも仰っていました。

そのようなディレクション企業とクリエイターの信頼関係があって初めて、素晴らしいクリエイティブが作れるのですね。大変勉強になりました。

以上、『ゼロから愚直に作ることがクリエイティブではない!制作企業とトップクリエイターが語るLINEスタンプ制作の秘訣と裏側』でした。


ガイアックスでは、スタンプ企画から納品までワンストップで行うLINEクリエイターズスタンプ制作サービスを株式会社アイディール様協力の元、開始しました。

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