キャラクタービジネスのことはくまモンに学べ!成功の裏にある戦略と施策

By | 2015年8月22日

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筆者は猫か犬で言うと犬派なのですが、ソーシャルで流れてくる動画だといつも猫の方に引きつけられます。猫の持つ力は恐ろしくすらあります。おはようございます、スマリストの田嶋です。

2007年にゆるキャラブームが到来して早9年。その火付け役となったのは「国宝・彦根城築城400年祭」のキャラクターとして誕生した「ひこにゃん」でした。

そして人気ゆるキャラの登竜門となる「ゆるキャラグランプリ」が創立されたり、ゆるキャラが多額の経済効果を打ち出したりと、まだまだゆるキャラたちの勢いは衰えを知りません。

そんなキャラクターの中にあってなお異彩を放つ「くまモン」にスポットライトを当て、活躍の裏にある「キャラクター戦略」とも呼べる大胆な戦略をご紹介します。

    ■目次
    キャラビジネスのことはくまモンが教えてくれます
    1.くまモンとは何モンなのか?
    2.大胆かつ練りに練られた戦略
    3.まとめ

1.くまモンとは何モンなのか?

「ゆるキャラ」と言えば、市民にキャラクターを公募したりするのが一般的ですが、くまモンは放送作家の小山薫堂氏とアートディレクターの水野学学氏によって生み出されたキャラクターです。

くまモンは元々、2011年の九州新幹線全線開業のための一連のキャンペーン「くまもとサプライズ!」のキャラクターとして誕生しました。

▼熊本県のくまモン
くまモンオフィシャルサイト   くまモンオフィシャルサイト
画像引用元:くまモンオフィシャルサイト

このキャンペーンは、九州新幹線で熊本にも立ち寄ってもらうべく企画されたものです。「くまもとサプライズ!」というコピーには、熊本県の「当たり前」は他県から見ると「サプライズ」になるのではないかという想いが込められています。くまモンがビックリした顔をしているのは「サプライズ」にちなんだものです。

また、名前の由来は「熊本の者/物」を方言で「くまもともん」と呼び、そこから「くまモン」が命名されました。

2.大胆かつ練りに練られた戦略

一言で言うと、熊本県そのものではなく、まずはくまモンが有名にすることで結果的に熊本県のブランディングを行うという戦略です。

それを表しているかのように、くまモンは他のご当地キャラと違って、県やその特産品を表す見た目をしていません。

▼船橋市のふなっしー
ふなっしー4コマ   terawarosu Jimdoページ
画像引用元:ふなっしー劇場

▼今治市のバリィさん
いまばり バリィさん
画像引用元:いまばり バリィさん

では、くまモンを有名にするために何を行ったのでしょうか?

熊本県のブランディング戦略

熊本県はくまモンの著作権、商標権を持っていますが、商標の利用料を無料にしています。

「その商品が熊本県や熊本の特産品のPRに繋がるのであれば」という条件のみがあるだけなので、他のキャラクターと比較しても非常に使用ハードルは低くなっています。そのため、くまモンは多くの商品のパッケージやグッズとして使用されています。

そのため収益元としては、熊本県への来訪や特産物などの売上収入を主としています。

この商法利用料を無料にする手法は冒頭で述べたゆるキャラブームを巻き起こした「ひこにゃん」にも見られました。ひこにゃんは滋賀県彦根市民なら誰でもひこにゃんのデザインを無料で使えるというものでした(2015年8月現在は有償で、一部無償)。

▼彦根市のひこにゃん
ひこにゃんと彦根の観光情報   ひこにゃん公式サイト   彦根市
画像引用元:ひこにゃんと彦根の観光情報

そのひこにゃんの無償施策をくまモンは更に一段階進化させ、「熊本県に貢献するなら」という条件のもとで無償利用を許可しているのです。

熊本県のマーケテイング施策

まず注目したいのはターゲティング。前述の通り、「くまもとサプライズ」は九州新幹線前線開通にともなって熊本県をPRするためのキャンペーンです。では、新幹線によって熊本県に足を運んでほしいのは誰か?

熊本県は、新幹線で熊本県へのアクセスの良い関西をターゲットに決めたのです。

そして、くまモンを熊本県のキャラクターであることを伏せ、着ぐるみのくまモンを大阪の観光地に出没させました。

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「通天閣になんか黒いのおった」「黒いクマいるんやけど誰なんやろ(笑)」などとSNSで話題になったことは想像に難くありません。

そこで「謎の黒いクマ」の情報を拡散させた後で、くまモンが熊本県のキャラであることを明かし、「くまモンを探せ大作戦!」と題して「くまモンを見つけたらツイートする」キャンペーンを行いました。この結果、メディアに相次いで取り上げられ、関西圏において瞬く間にくまモンの名が知れ渡ったのです。

この後のくまモンの活躍は、みなさんの知るところだと思います。

3.まとめ

くまモンが現在の地位を築くためのポイントとなったことをまとめます。

まず、ブランディング戦略として「熊本県そのものではなく、熊本県のキャラクターであるくまモンが人気を得る」ことを掲げました。

そこで、どんどんくまモンを身近に感じてもらうため、商標の使用料を無料にし、熊本県のPRに繋がることなら何でもくまモンを使える状態にしました。

そして、マーケティング施策として、ターゲティング・拡散の設計・認知増加・再拡散を行いました。

具体的には、熊本県まで九州新幹線でアクセスの良い関西にターゲットを設定し、そこから日本全国へ広げていく計画を立てます。

次に、大阪の観光地への突然の出現という、SNSで拡散したくなるような行動を取りました。

十分拡散した後で「あれは熊本県のくまモンだ」と明かし、認知を高めています。

最後に「くまモンを探せ大作戦!」で「くまモン」であると認知した対象を「SNSで拡散」させることで更なる認知を高め、また拡散されることでメディアの目に触れ、結果多く取り上げられることになりました。

こうした戦略や施策がハマり、くまモンはゆるキャラ界のスターダムを駆け上がったのです。


参考記事

くまモンオフィシャルサイト
くまモン、293億稼いでコストはたったの9000万円。その戦略とは
ゆる可愛いさでオジサンのストレスも異次元緩和!年末年始にゆる~く学ぶ「ゆるキャラ」の超経済効果
「くまモン」は私たちが育てました


あとがき

いかがでしたでしょうか。

たかがゆるキャラ、されどゆるキャラ。このゆるキャラ戦国時代の中で勝ち残るには、並々ならぬ努力が必要なのですね。

くまモンから学べることは、地方のキャラクターだけでなく企業などのキャラクターでも学べるものがあるでしょう。

以上、『キャラクタービジネスのことはくまモンに学べ!成功の裏にある戦略と施策』でした。


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