アサヒビール「焼酎飲み方研究所」からメディアのコンテンツの作り方を推察する

By | 2015年10月23日

アサヒビールの焼酎飲み方研究所

いきなりですが、ブログだけがコンテンツマーケティングなのでしょうか。いいえ、違います。
多くの企業が、自社と消費者を結びつける様々なコンテンツを制作・配信しています。

その一つの例として、アサヒビールが運営するオウンドメディアでは、良質なコンテンツを扱っています。
そこで、どのようなコンテンツをどうして作っているのかを考察してみました。

    ■目次
    アサヒビールを調査しました。
    1.焼酎飲み方研究所って何?
    2.コンテンツ作成で重要な背景を知る
    3.実際のコンテンツ例

1.焼酎飲み方研究所って何?

アサヒグループの印象としては、どうしても「アサヒスーパードライ」を始めとするビール系や、「十六茶」や「三ツ矢サイダー」などの飲料系が強いと思います。

しかし、実は焼酎系も製造・販売しているのをご存知でしょうか。「かのか」シリーズと言えば、ピンと来る方も多いかもしれません。

焼酎飲み研

アサヒビールのオウンドメディアには、クイズやゲームなどのコンテンツが用意されていますが、当記事では「焼酎飲み方研究所」という焼酎に関するコラムやレシピが紹介されているコーナーに焦点を当てたいと思います。

焼酎飲み方研究所とは

飲み研ロゴ

引用元:焼酎飲み方研究所

焼酎の新たな可能性や魅力を発見し、世の中に笑顔を届けることを目指しています。

この理念にもとづき、一人でも多くの人に、焼酎をもっと楽しんでいただくために、そして焼酎をもっと好きになっていただくために、さまざまな研究に取り組んでいる特設機関である。

焼酎飲み方研究所

実際にこのコーナーでは、アサヒビールが販売している「大五郎」「さつま司」を使って、焼酎に合うレシピや新しいカクテル作りの提案をしています。テキストベースの読み物コンテンツだけでなく、動画も用いながら分かりやすく紹介しているところが素敵です。

人物

また、登場人物をデフォルメしてキャラクター化することで、読者が親しみを持てるようにしています。


2.コンテンツ作成で重要な背景を知る

では、メディアを立ち上げ、コンテンツを配信していこうと決めたとして、どのようなコンテンツを配信していけば良いのでしょうか。よく見かけるような「おすすめの●●10選」など、何を作っても良いわけではありませんよね。

「焼酎飲み方研究所」はどうなのでしょうか。現在の配信コンテンツから見える背景を推察してみましょう。

カテゴリについて

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まず、「焼酎」というカテゴリについて考えてみます。

焼酎は他のアルコール飲料と比較して割安であることや、酒類販売免許の規制緩和などにより、1990年代に大きく消費量を伸ばしました。2000年以降は、大手ビールメーカーも焼酎市場に参入し、市場全体が盛り上がりを見せました。

アルコール消費量

引用元:本格焼酎メーカーに求められる新たな取り組み~焼酎市場の縮小時代を迎えて~

右肩上がりで成長していた市場も、2007年のリーマン・ショックの景気停滞の波を受け、消費量が落ち込みます。その後、アルコール市場は第三のビールが投入されるなど、より一層安価なビール風飲料市場が拡大していきました。

一方で、若年層のアルコールとの付き合い方にも変化が現れます。アルコール市場全体では数量・金額ともに、1995年から減少しており、特にビール・発泡酒などの減少が顕著です。最近の20代の若者は「酎ハイ」や「カクテル」などの軽いお酒を好んだり、そもそもアルコール自体飲まないといった若者が一定数出現しました。

参考:
http://www.murc.jp/thinktank/rc/report/consulting_report/cr_130516.pdf
http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2014fy/000949.pdf

背景を元にしたコンテンツ

そのような背景のもと、焼酎についてどのようなコンテンツを配信していくべきでしょうか。最終的には焼酎の売上をあげたいはずです。つまり、読者に消費行動を促すことのできるコンテンツですね。

男女別消費量

引用元:焼酎業界の現状と課題(上)~近年の国内における需給動向~

上図を見ていただくと、焼酎をよく好むのは40代以上の男性だということが分かります。消費者(ファン)は必ずいずれ歳を取っていくので、若年層の囲い込みを行うことは焼酎市場で戦っていくために必要不可欠だと言えます。そこで、若者に対してコンテンツを作り、焼酎の購買意欲を喚起していかなければなりません。

「おいしい焼酎の選び方」「焼酎の歴史」のような焼酎そのものについての情報は、焼酎を好きな人には刺さるかもしれませんが、焼酎を普段飲まない人にとってはどうでもよいことに感じてしまうかもしれません。

若者に刺さるコンテンツとは、焼酎の魅力の提案のような情報なのです。なぜなら「最近の若者は軽いお酒を好む傾向にある」からです。

3.実際のコンテンツ例

ここまで長くなってしまいましたが、実際にはどのようなコンテンツを作っているのでしょうか。二つの例を紹介します。

芋焼酎でつくるカクテル対決
カクテル対決new

カクテルのベースをウォッカやラムから芋焼酎に代えてカクテルを作っています。「芋ヒート」や「芋スコーミュール」など、芋焼酎カクテルのネーミングもグッドです。

最近の若者がカクテルなどの甘目のアルコールを好むのなら、焼酎でカクテルを作ってしまえばいいんですね。

鍋の「だし」を使った焼酎の愉しみ方
だし割new

鍋のだしで焼酎を割るという大胆なアイディアを紹介しています。だしのベースによって、焼酎とのおすすめ比率を変えています。

寒い季節に温まりそうな新しい提案は、焼酎を飲まない人でも鍋の〆の一杯として飲めてしまいそうです。

有効なソーシャル連携+α

こういった若い世代でも楽しめるような新しい提案を受けて、期待するリアクションは「芋ヒート作ってみた」や「焼酎を鍋のだしで割ってみたら美味しかった」というようなものでしょう。となると、ソーシャルメディアとの相性がとても良く、「作ってみた!」の投稿により興味喚起させることができます。

もちろん、アサヒビールにも「Twitterでシェア」「Facebookでシェア」ボタンが設置されていました。

ソーシャル連携

欲を言うと、「他の人もこんなにチャレンジしてるんだ」という盛り上がりを可視化するために、Twitterのシェアされた投稿を拾って表示させてみても良いかもしれませんね。

あとがき

いかがでしたでしょうか。

今回紹介したコンテンツ以外にも純粋に焼酎を好きな方向けのコンテンツもあります。なので「焼酎飲み方研究所」は、焼酎ファンはもちろんのこと、あまり興味のなかった人も楽しめるコーナーとなっています。

実際、アサヒビールにてこの記事のような検討があったかどうかはわかりません……。しかし、コンテンツを作っていくにあたって、テーマ周辺の背景や状況を考えながらコンテンツを作っていくことが重要です。

以上、『アサヒビール「焼酎飲み方研究所」からメディアのコンテンツの作り方を推察する』でした。


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