太古の昔より、人々に信じられていた占い。古代メソポタミア文明において現在の12星座の基となるものが作られたとされていますが、日本でも卑弥呼の時代には占いが政治にも利用されていました。
そして現代日本では、陰陽五行説に基づいて占う「四柱推命」や、日本人なら誰でも知っている「血液型占い」など手軽に占うことのできる占いが人気です。
一方で、実際に占いの館や路上にいる占い師のもとへ行き占ってもらうこともあります。そこで、「どうして占い師に占ってもらいたくなるのだろう」と思い、その理由について考えました。
占い師とのコミュニケーション
人はなぜ占い師のもとへ行ってしまうのでしょうか。
30分で5000円や10000円など占い師の鑑定料は人により様々ですが、人気の占い師の中には決して安いとは言えない価格が設定されている場合もあります。それでも占い師のもとへ占ってもらいに行くからには、それ相応の理由があるためでしょう。
そもそも占いとは、魔法や手品の類ではありません。占いは統計学に基づいたものであるとする向きもあります。
被鑑定者のデータ(見た目、質問の受け答え、行動など)から、「このデータから言えることはこうだよね」という診断結果を導き出します。それが「最近幸せなことがあっただろう」「この先5年以内に悪いことが起きる」という言葉になって紡ぎ出されます。
※この限りではない占い師もいらっしゃいます。
そこで重要になってくるのが「いかにデータを集めるか」です。もちろん、見た目や少しの問答からデータを収集することは可能ですが、より多くの被鑑定者の情報を得れば得るほど、最終的にアウトプットする「占い結果」の精度が上がります。
しかし、占い師が「~について教えてください」と聞いたとしても、被鑑定者は自分のすべてを洗いざらい話すのには抵抗があるかもしれません。自ら占いに来るくらいだから、必要に隠すことはないかもしれませんが、質問内容によっては多少偽る可能性はあります。
被鑑定者が心を開いて様々なことを話してくれる(=欲しいデータを引き出せる)ように、占い師たちは被鑑定者の心の中にスッと入っていきます。「この人になら安心して本音をぶつけられる」と感じてくれればしめたものです。
なぜ占い師のもとへ行ってしまうのか
さて、話は戻って、なぜ人は占い師のもとへ行くのでしょうか。
「暇つぶしに何となく」や「周りの人がやっているから」などの理由もありそうですが、他にも以下のような理由が考えられます。
●自分の考えを肯定してほしい
●占い師の言葉にすがりたい
それぞれのケースを見ていきましょう。
話し相手がほしい
まず、「話し相手がほしい」についてです。
「占い師を話し相手にすることなんてあるの?」と思われるかもしれません。
上述の通り占い師とは被鑑定者の情報を引き出したいと思っています。そのため、占い師と被鑑定者との会話が弾むほど、被鑑定者のデータが取れ、かつ占い師に親しみや安心感を感じてくれれば、さらに多くの情報を引き出すことが可能です。
その観点から言えば、被鑑定者としては、占い師は会話を積極的に行ってくれる相手として映ることがあるでしょう。
自分の考えを肯定してほしい
次に「自分の考えを肯定してほしい」についてです。
占い師として著名なゲッターズ飯田さん曰く「占い師とは、地図であるべき」。つまり、占い師の言葉を鵜呑みにするのではなく、占い結果をもとにして、どのように行動するかを自分で決めることが、占ってもらう人の態度として正しいのではないかと仰っています。
占い師は答えを教えるのではなく、気付きやヒントを与える存在だとすると、被鑑定者の心の中で自信がないがやりたいことが見つかれば、その背中を押してあげることは十分ありえることです。
占い師の言葉にすがりたい
では、「占い師の言葉にすがりたい」はどうでしょうか。
これはゲッターズ飯田さんの言う「占い師とは地図であるべき」を勘違いしてしまっているケースです。占い結果を地図ではなく、答えであると錯覚してしまっていると、何でもかんでも占ってもらわないと前に進めないという状況に陥ってしまいます。
しかし、自分では何も考えられなくなり、占い師の紡ぎ出した言葉を唯一の経典として行動してしまう人が一定数いることでしょう。
あとがき
いかがでしたでしょうか。
占いや占い師を「あやしい」と感じている人もいますが、ゲッターズ飯田さん曰く「占い師は人やデータが好きな人が多い」ため、実際そこまであやしい占い師はいないそうです。
人はなぜ占い師のもとへ行ってしまうのか。「占い結果を知りたい」というシンプルな理由以外の理由を考えてみた記事でした。
以上、『占い師はなぜ廃れない?占ってもらいに行きたくなる心理を考えてみる』でした。
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