レシピ動画ライフシアター、魅力は徹底的な読者目線のコンテンツ作り

By | 2016年8月17日

FacebookやInstagramのフィードで必ず目にするようになった動画コンテンツ。各社がこぞって動画コンテンツを配信する中でも、とりわけ目を引くのが料理動画でしょう。

ひと口に「料理動画」と言っても種々様々な形がありますが、「観れば誰でも作れるお料理動画」をテーマにユーザー数を伸ばしている動画メディアがあります。それがアルファアーキテクト社の運営する『ライフシアター』です。

その『ライフシアター』の動画の制作方法や企画の出し方、目指している姿や今後の展望について、ディレクター/料理家の児島さんを中心にお話を伺ってきました。

取材記事_01

今回、お話を伺った株式会社アルファアーキテクトの方々。
左から、北川 富久美(きたがわ ふくみ)氏、児島 将平(こじま しょうへい)氏、丸山 沙織(まるやま さおり)氏。


1.アルファアーキテクトとは

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-まずは会社や事業について教えてください。

児島氏:
「アントレプレナーユナイテッドカンパニー」をコンセプトに掲げ、2014年に設立された会社です。このコンセプトには、”各個人が起業家精神を持ち、強い個が集まった会社にしよう”という意味が込められています。

弊社では三種類の事業を展開しています。ひとつ目はweb広告の代理業、ふたつ目は国内外向けのEC事業、そして、私の所属するメディア事業です。

メディア事業では、今回取材で取り上げていただいている料理動画メディア『ライフシアター』の他に、不動産メディア『住まいの大学』、サプリメントや健康のメディア『ライフサプリメント』があります。

-なぜその三種類のメディアなのでしょうか?

児島氏:
弊社のポリシーとして、メディアを展開する領域を「衣食住」、つまりライフスタイル周りに置いているからです。衣食住にまつわるテーマは普遍的で、かつ生きていく上で欠かせないものです。その半面、お困りごとや、課題が尽きない分野なので、その解決の「ヒント」を提供することをメディア事業のミッションとして位置付けています。

-『ライフシアター』とはどのようなメディアなのでしょうか?

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児島氏:
ひと言でいうなら「観れば誰でも作れるお料理動画」がテーマの料理動画メディアです。「動画だから分かる、伝わる」を武器にした料理動画を提供しています。

いわゆるレシピは、webや書籍など、様々なところで見ることができます。そして、その多くは文章や写真のみで構成されています。しかし、文章や写真だけでは「本当に知りたいこと」が分からないこともあると思うのです。たとえば「メレンゲの角が立つってどういう柔らかさなの?」「煮詰めるってどのぐらいまで?」「お湯がふつふつする程度のふつふつってどんな感じなの?」といったことは文章や写真だけでは分かりませんよね?

ですが、動画であれば一目瞭然です。動画を見て、その料理を美味しく、手際よく作ってもらうためのポイントをつかんでもらえば、まさに「観れば誰でも作れる」というわけです。そのため、実際に料理をする人が、作る時に「知りたいポイント」「迷うポイント」はどこなのか、調理の過程をどのように伝えれば、見た人が「再現しやすいのか」を常に意識して制作にあたっています。

-なるほど。具体的にはどういった例がありますか?

児島氏:
たとえば、『ライフシアター』ではオムレツだけでもいくつかの作り方を紹介しています。包まなくてもできてしまう簡単オムレツ、プロがコツを教える本格的なオムレツ、中にはポリ袋に材料を入れて湯煎して作る”アイデア”オムレツもあります。

ひと口にオムレツと言っても、料理の得意不得意、家族構成、キッチンのサイズなど、作る人やシーン、住環境によって「知りたい作り方」は違うはずです。「なるべく時短で作りたい」「コンロが一口しかないので省スペースで作りたい」「プロのシェフが作ったような味に作りたい!」など、「知りたい作り方」は十人十色です。なので、それぞれのニーズに応えられるように「オムレツ」だけでも動画をいくつも用意する必要があるというのが私たちの考え方です。

-たしかに、様々な作り方の動画があると助かります。

児島氏:
その結果、いつもは30分かかる料理が10分で完成したら嬉しいじゃないですか。逆に、いつもの作り方にたったひと手間加えるだけで、抜群に美味しくできたらテンション上がりますよね!こういった「作る人が嬉しい、それを食べる人も嬉しい」を一番に考えています。

【Life THEATRE】Creative.001_compressed

-現在、動画コンテンツをあちらこちらで見るようになりましたが、とりわけレシピ動画は人気の分野です。そのような激戦の中にあって『ライフシアター』はどう戦っていくのでしょうか?

児島氏:
徹底的なユーザー目線です。これには大きくふたつあって、ひとつは前述の「観れば誰でも作れる」という目線、もうひとつは、動画の視聴環境に合わせた「見やすさ」ですね。

たとえば、SNSに流れてきた動画を見るのと、オムレツ作りの研究のために動画を見るのとでは、見たいポイントが違います。この違いに対して、それぞれに最適化した動画を用意することで、自然に見てもらえます。「たまたま流れてきた動画を見て、作ってみたいと思う」のか、「作りたい料理のレシピを動画で探して、作り方を勉強する」のか、の違いですね。

これを、チーム内では「受動的に見るレシピ」と「能動的に見るレシピ」という呼び方をしています。

-実績を教えてください。

児島氏:
Facebook、instagram合わせてファンの方が約23万人(2016年8月12日現在)、動画の再生回数は月間で300万回を超えています。


2.『ライフシアター』の動画制作の舞台裏

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-体制についてお聞かせください。動画制作は自社で行っているのでしょうか?

児島氏:
基本的には自社で制作しています。まれに、外部の方を入れて制作することもありますが、必ず料理のことを熟知している方にお願いしています。やはり、料理を分かっている人が作るのと、そうでないのとでは、出来上がりがまるで違ってくるので。また、テーマによっては管理栄養士、料理研究家、プロの料理人に協力してもらうこともあります。

-では、レシピのネタ決めはどのように行っているのでしょうか?

児島氏:
すべてのレシピにはターゲットが決められており、そのターゲットが抱える課題をどうやって解決するかという視点からレシピ企画を作成しています。

もう少し具体的に言うと、「安売りでたくさん買って余った野菜を大量消費できる料理」「子どものいる家庭が困っているお弁当ネタ」「アイデア時短料理」など様々な企画を出し、そこからレシピに落とし込みます。同じ料理でもターゲットや企画によって動画への落とし込み方が変わってくるので、ターゲットにとってどのように役に立つのか、という視点から考えていきます。

-まずターゲットから考えるとのことですが、あらかじめ決まっているのでしょうか?

児島氏:
『ライフシアター』のターゲットという意味では決まっています。ユーザーさんのほとんどが女性なので、基本的にはライフイベント前後の女性をターゲットと考えています。ライフイベントとは、具体的には結婚、出産、子育てなどです。ただ、レシピをつくるときには、その都度、ターゲット全体をさらに細分化して、どの層に向けて作るかを考えています。

-ライフイベント前後に着目している理由はあるのでしょうか?

児島氏:
料理はライフイベントを境にして内容が変わります。子どもがいるかどうか、その子供が何歳ぐらいなのかによって、買うものから料理の仕方、住環境まで変わってきますよね。つまり、料理の「知りたいポイント」が変わるんです。

-なるほど!だからライフイベントで分けていらっしゃるんですね。

児島氏:
そうですね。ただ、もう少し絞ることもあって、「仕事で忙しいからなるべく料理は手抜きしたい。でも仕上がりは、まるで手間のかかった料理のようにしたい人」といったターゲット設定をし、そのようなニーズを叶えるレシピを考えていきます。たまに、レシピ化するのが無理難題すぎて企画したことを後悔することもありますが(笑)。

-主にどのような指標を見られているのでしょうか?

児島氏:
基本的には再生数、SNSではいいね数など、数字で跳ね返ってくる部分ですね。ただ、同じ再生数であってもいいねやコメントの数が異なるなど気になる点があれば、その原因は何なのかを細かく分析しています。


3.レシピ動画メディアの鉄板コンテンツとは?

~ここから丸山さん、北川さんも参加~

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-次にコンテンツについてお伺いします。これまでに出したもので一番ヒットした動画はどんなものでしょうか?

北川氏:
一番結果が良かったのは「フライパンひとつでできるカルボナーラ」ですね。

-カルボナーラなんですね!それはどういった分析をされているのでしょうか?

児島氏:
通常の作り方だと、麺を茹でて、茹で上がったものとソースを混ぜて作ります。そうすると、鍋がふたつ必要ですよね。しかし、このカルボナーラはひとつのフライパンに全ての食材を入れていって完成させるので、ひと手間省けるんです。ワンルームでコンロが一口しかなくても問題無しです。

そして、そのレシピ動画を見てくれた方々からたくさんコメントをいただいたのですが、イタリア人のユーザーさんから「こんなものはカルボナーラじゃない!」とコメントされちゃって(笑)。すると逆に、別のユーザーさんが「いや、これは簡単に作るためにこういうレシピにしているんだ!その気持ちを汲み取って!」と私たちの側に立ってくれたこともありました(笑)。そういったやりとりから、動画が拡散しているのかなという印象です。

そもそも、このレシピは「味をプロ並みに美味しくするという視点」ではなく、「時短で簡単に作ることができること」にポイントを置いていたので、こういったバイラルが生まれたのだと思います。

-そう言われるとたしかに時短のレシピは人気がありそうです。

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北川氏:
時短で当たったということに加え、洗い物を少なくするという「工程を減らした」点がよりウケたのかなと思います。

-工程が少なくなるのは作る側からするとありがたいですね。ユーザーさんに刺さりやすい動画の傾向はありますか?

北側氏:
「工程を減らす系」はやはり刺さりやすいですね。

児島氏:
「ポリ袋で作れるオムレツ」もそうですね。

北側氏:
「ポリ袋で作れるオムレツ」は「工程を減らす系」であるのに加え、「見た目のインパクトが大きい」ことも当たった要因だと思います。

丸山氏:
他には、お弁当に使えるレシピも人気があります。たとえば「茄子の豚バラ巻き」は冷蔵庫にあるもので簡単に作れて、冷めても美味しいため、お弁当に入れられるということでヒットしました。

-ちなみにですが、児島さんのオススメのレシピは何でしょうか?

児島氏:
たくさんあるのですが、最近のものだと「火を使わずに作れる錦糸卵」ですね。火を使わずにどうやって作るんだろうと思いませんか?

-今までに錦糸卵を作ろうと思ったことがないですね(笑)。でも、どうやって作るのでしょうか?

児島氏:
電子レンジとサランラップを使って作るんです。卵1個からでも作れるので、飾りでほんの少しだけ欲しいときとか、暑い日で火を使いたくないとき、ひょっとしたら、お子さんの自由研究にも良いかもしれませんね。

-これまでに様々な動画を出されてきていると思うのですが、ユーザーさんのリアルな声や反響はいかがでしょうか?

児島氏:
ここ最近は「こういうレシピはないですか?」「こういうレシピ作ってください!」というリクエストをいただくことが多いですね。そしてユーザーさんのニーズに応えているからなのか、リクエストに応えて作ったレシピはよく見てもらえる傾向があります。

-まさに完全なユーザー目線のコンテンツですね。

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丸山氏:
あとは「私の家ではこうしています」というような声もあります。「ちゃんちゃん焼き」の動画に対して、北海道のユーザーさんが「我が家ではラクして作りたいときにホットプレートを使ってます♪」とコメントしてくれたり、それを見た別のユーザーさんが「いいですね、私も試してみます!」とコメントするといったコミュニケ—ションが生まれています。

児島氏:
動画一つひとつに対して、小さなコミュニティのようなものが構築されるイメージですね。そこから私たちも新しい気付きを得ることもあります。ユーザーさんの生の声を反映したコンテンツを作ることができるとも言えますね。


4.『ライフシアター』の今後

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-マーケティングについてもお聞きしたいのですが、『ライフシアター』をどのように伸ばしていくのでしょうか?

児島氏:
今までとこれからという軸でお話しします。

まずは、動画の数がなくてはどうにもなりません。そのため、企画に合わせて、いかに動画の量を増やせるかを今までは重視してきました。

そして、一定の動画を制作する仕組みが整ってきたので、これからは、ユーザーさんとのコミュニケーションから課題をより深く抽出し、より多くのユーザーさんの課題を解決していけるような仕組み作りをしていこうと考えています。

-たとえばレシピコンテンツを本にするなど新しい展開もできそうです。

児島氏:
アイデアベースではありますが、本についてはちょうど話をしていました。それぞれのユーザーさんにパーソナライズされたレシピを本として受け取れたらいいな、とか。他には、リアルイベントも企画していこうと思っています。

色々とやりたい事は尽きませんが、私自身も料理を始めた頃、webで料理の知識や技術を学びました。当時はあまり料理動画がなかったので、それこそ文章と写真だけだったんです。あとは、本を読んだり、料理人の友人からヒントをもらったりしていました。今から考えれば料理を学ぶにはかなり不便だったんです。そういった経験が私の『ライフシアター』に対するモチベーションになっています。

これから料理を始める人、料理でお困りごとがある人、さらに言えば、私たちの次の世代の子供たちが料理をするときに、『ライフシアター』を見て、料理を作って、気が付いたら自然と料理上手になっている。そんなサービスにしていくことが当面のミッションです。

そしてその延長で、世の中の家庭料理のレベルが上がれば、自然と舌が肥えますから、食材の生産者さんも、もっと良いものを生産する必要が出てくる。そうすると、さらに家庭料理が美味しくなる。外食業界も黙っちゃいられない。このサイクルを作りたいんです。こうして「食」にまつわる業界全体が盛り上がるための「ハブ」のような存在になりたいんです。

私事ですが、自分の子供には美味しいものを食べて欲しいですからね(笑)。

-素敵なビジョンですね。私も、今よりもっと美味しいものが食べられる世の中は大歓迎です(笑)。児島様、丸山様、北川様、本日はありがとうございました!

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あとがき

レシピ動画メディア『ライフシアター』について、かなりのボリュームでお話しいただきました。

私個人としては『ライフシアター』の中にある「リアルタイムレシピ」がとても気に入っています。動画自体が10分~30分の長さで、その動画を観ながらリアルタイムで料理を作れるというものです。30分のレシピ動画なんて他ではなかなか見かけないですよね。

以上、群雄割拠のレシピ動画の中で今後の成長にますます期待が持てる『ライフシアター』のインタビューをお届けしました。

・・・

さて、当ブログ『スマリスト』を運営するデジタルコンテンツのモバリストでも、アルファアーキテクト社と提携し、レシピ動画『ライフシアター』のお取り扱いを開始いたしました。

「観れば誰でも作れるお料理動画」の『ライフシアター』のコンテンツを自社メディアでも使ってみたい、興味があるという方はこちらのページをご覧ください。


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